現在分詞と過去分詞の使い分け

今回は、高校1年の生徒さんからの質問のあった現在分詞と過去分詞の使い方を例文で解説していきます。分詞の使い分けは、以前から、よく生徒さんが混乱する項目でもありましたので、この機会に例文を使って整理してみます。

分詞と言うと、分かりにくいという印象が強い方も多いと思いますが、ポイントさえおさえてしまえば、意外と簡単です。

現在分詞と過去分詞

doing「~している」(現在分詞)
done「~された」(過去分詞)

分詞には、動詞に「ing」をつける現在分詞と、動詞に「ed(不規則変化するものもある)」をつける過去分詞があります。現在分詞と過去分詞の違いは動詞の語形変化だけではなく、それぞれがもつ意味も違います。

現在分詞のdoingは、「~している」という意味になります。一方、過去分詞のdoneは、すでに「~された」という意味になります。どちらも名詞を修飾する形容詞のような働きがありますが、それぞれがもつ意味が全く違うので状況によって使い分けが必要です。

それでは、現在分詞と過去分詞の具体的な使い方を、簡単な例文で確認していきましょう。

現在分詞の使い方

The boy swimming in the pool is Tom .
 
プールで泳いでいる男の子はトムです。

動詞ingのかたちになる現在分詞は、「~している」という意味になります。そして、現在分詞は、主に名詞を修飾する働きがあります。

例文では、名詞のThe boyを現在分詞のswimming(泳いでいる)が修飾して、The boy swimming(泳いでいる男の子)という意味になっています。このように現在分詞は名詞を修飾することで説明を加えていく働きがあるのです。

現在分詞は、後ろにある他の語句をともなって、後ろから直前の名詞を修飾することがポイントになります。例文では、swimming in the pool(プールで泳いでいる)をひとかたまりにして、直前の名詞のThe boyを修飾して、The boy swimming in the pool(プールで泳いでいる男の子)という使い方になっています。

名詞を修飾するということは、swimmingが形容詞のような働きになっています。たとえば、The swimming boy(泳いでる男の子)のように、swimmingだけで名詞のboyを修飾する場合は、名詞の前に現在分詞のswimmingを置きますが、The boy swimming in the poolのように他の語句を使ってもっと詳しく説明したい場合は、「現在分詞 + 語句」をひとかたまりにして、後ろから直前の名詞を修飾します。

現在分詞の1語で名詞を修飾する使い方と、現在分詞の他に語句を伴う使い方で、現在分詞を置く位置に違いがあり、使い分けが必要ですが、分詞というのは後ろに語句を伴うケースが多いので、例文のように「現在分詞 + 語句」をひとかたまりに考えて名詞を修飾する使い方をしっかり覚えておきましょう。

<例文>

The boy sitting on the sofa is my brother.
(ソファーに座っている少年は私の兄です。)

Look at the man standing by the door.
(ドアのそばに立っている男を見て。)

I don’t know the boys playing soccer in the park.
(私は公園でサッカーをしている少年たちを知りません。)

過去分詞の使い方

These are cookies made by Sala.
 
これらはサラによって作られたクッキーです。

動詞の過去分詞には、「~された」という受け身の意味があります。そして、過去分詞は名詞を修飾する働きがあります。

例文のように、「過去分詞 + 語句」をひとかたまりにして、後ろから直前の名詞を修飾します。

例文では、made by Sala、この部分が、ひとつのかたまりで、直前の名詞のcookies(クッキー)を修飾しています。つまり、「サラによって作られたクッキー」という意味になるのです。

このように現在分詞と過去分詞は、どちらも名詞を修飾する働きがあり、使う位置も似ていますが、意味と語形変化に違いがあるので、伝えたい内容によって使い分けましょう。

<例文>

He showed me a photo taken in Japan.
(彼は私に日本で撮られた写真を見せてくれた。)

This is the letter written by my friend in Hawaii.
(これはハワイの私の友人によって書かれた手紙です。)

This is the window broken by him.
(これは彼によって壊された窓です。)