関係代名詞 制限用法と非制限用法の違い
この2つの用法は、立命館高校でTOEFLで、常に子ども達にとって、混乱してしまう文法でした。先日、英検準2級の解説に必要になったので、一度纏めておくことにしました。
- 制限用法:カンマがついていない
- 非制限用法:関係詞の前がカンマで区切られている
制限用法の例文
I know a woman who speaks English very well.
(私は英語をとても上手に話す女性を知っている)
非制限用法の例文
I phoned my father, who was in Tokyo on business.
(昨日父に電話したのですが、今は仕事で東京にいます)
関係詞の制限(限定)用法と非制限(非限定)用法の働き
そもそも関係詞の制限用法と非制限用法には働きに次の違いがあります
制限用法:同じ種類のものがたくさんあるなかで、「SがVした〇〇」のように修飾したり、「どんな~」と説明することによって「限定している」。そのため「限定用法」とも言われる
非制限用法:1つのものしかなく、限定する必要がない。補足説明。「非限定用法」とも言われる
2つの用法の例文を見てみましょう。
説明が必要なものは制限用法(限定用法)
まずは制限用法(限定用法)からです。
The man is the photographer who used to live next door.
(その男性は以前隣に住んでいた写真家だ)
上の文では「写真家」を「どんな写真家」なのか限定する必要があります。
では、非制限用法(非限定用法)はどんな時に使われるのか、例文を見てみましょう。
固有名詞は非制限用法
一番わかりやすく、登場回数が多いのは先行詞が固有名詞の場合です。
I visited Kyoto, which was the capital of Japan for about 1000 years.
(先日京都に行きましたが、そこは1000年もの間日本の都でした)
京都は日本に1つしかありません。
「都だった京都」と言ってしまうと、「都ではなかった京都」があるみたいですよね。
【誤り】 I visited Kyoto which was the capital of Japan for about 1000 years.
(約1000年の間、日本の都だった京都を訪れた)
→都でなかった京都が存在する?
1つしかないものは非制限用法
次は先行詞が1つしかないようなものの場合です。
1つしかありませんので、限定した修飾の必要がないわけです。
My father, whom I met yesterday, lives in Osaka.
(お父さんは、昨日会ったのですが、大阪に住んでいます)
文脈上で特定できるものは非制限用法
特定のものを指しているということが文脈上判断できる時も、関係代名詞の非制限用法が使えます。
He relies on his wife, who has never betrayed him.
(彼は奥さんに頼っている。彼女は一度も彼を裏切ったことがないからだ。)
☞奥さんを指していることが明らかにわかる
前の文の全体や一部を指すのは非制限用法
最後に、先行詞全体や前の文全体を指す場合を説明します。
こちらは会話などでは頻出度が高いかと思われます。
My brother tried to stop playing video games, which was hard for him.
(弟はテレビゲームをやめようとしたが、彼には大変だった)
→弟にとって大変だったのは「ゲームをやめること」
ふわっと全体的に指すと考えておいても差支えはありません。
紛らわしい2つの文の確認
ではここまで理解出来たら、次の2つの文の違いがわかるでしょうか
①He had two sons who became doctors.
②He had two sons, who became doctors.
①の文では
「彼には医者になった息子が2人いる」
となります。
この場合は息子は3人以上いて、そのうち医者になった2人の息子という意味になります。
一方、②の文は
「彼には2人の息子がいて、彼らは医者になった」
となり、息子は2人しかおらず、その両方が医者になったという意味になります。
働きや内容を理解することで、さらに英文解釈やスピーキングに活かせると思います。
是非、参考にしてみてください。