なぜ英語だけは「離れるとすぐ衰える」といわれているのか
英語は「知識」ではなく、技能(スキル)だから、使わないと必ず弱まります。
① 英語は「技能科目」
- 数学・理科:知識中心
- 英語:読む・聞く・話す・書くの“実技科目”
英語は、ピアノ・スポーツ・自転車と同じで、
使わないと確実に鈍る技能です。
② 脳は「よく使う回路だけ」を強くする
英語を使っている時、脳は同時に、
- 音の認識
- 文法処理
- 語彙検索
- 発音運動
といった多くの処理を行っています。
これらは 使わないと一気に弱化 し、
- 「単語が出てこない」
- 「聞き取れない」
という状態が起こります。
③ 英語は「瞬間処理」が命
英語に必要なのは、
- 聞いた瞬間に意味へ変換
- 言いたいことを即英語化
- 前から理解するワーキングメモリ
これらは 反射神経と同じ性質を持つため、
数週間使わないだけでもスピードは低下します。
④ 日本語にない「音」を使うから衰えやすい
英語には、
- /r/ と /l/
- 子音の連続(street, spring など)
- リズム・イントネーション
- 音のつながり
など、日本語には存在しない音が多く含まれています。
これは 耳と舌の筋肉のトレーニングでもあるため、
使わないとすぐに衰えてしまいます。
まとめ
英語は、
- 「勉強したか」より
- 「どれだけ使い続けたか」
で決まる教科です。
特に小学生の時期に積み重ねた
- 触れる量
- 声に出す回数
- 発話反復
- 繰り返しの頻度
は、中学・高校・英検・将来の英語運用に大きな影響を与えます。
継続したトレーニングによって、
- 聞く
- 話す
- 読む
- 書く
の基盤が安定し、長く使える英語力として定着していきます。
なぜ英語だけは「早期・継続」が圧倒的に効くのか
英語の習得は、脳の発達と言語の仕組みと深く関係しています。
英語は「知識」ではなく、**音を土台とした「技能」**から始まる教科だからこそ、始める時期と継続が大きな差を生みます。
① 英語は「知識」ではなく「音の技能」から始まる
英語はまず、
- 音
- リズム
- イントネーション
を、体にしみ込ませていく言語です。
この「音の吸収力」は、
- 幼児期〜小学生低学年が最も高く
- 年齢が上がるにつれて低下していきます。
そのため、
- 早く始めるほど
- 正しい音が自然に身につき
- 中学以降の英語が「楽に伸びる」
という状態になります。
② 途中から始めると「日本語の音の癖」が強くなる
日本で英語を学ぶと、多くの子どもが次のような癖を身につけてしまいます。
- カタカナ英語
- 日本語リズムのままの発音
- 聞こえた音を「日本語っぽく」聞き取る癖
この状態で中学生になってから英語を本格的に始めると、
- 単語は覚えられても
- 聞き取りができない
- 話そうとすると口が動かない
という 「技能ギャップ」 が生まれます。
これは努力不足ではなく、
**「始める時期」と「音の経験量」**の問題です。
③ 英語は「使わないと落ちる」唯一の教科
英語は、
- 使えば使うほど定着し
- 使わなくなると急速に忘れる
という性質を持っています。
これは、数学や社会とは大きく異なる点です。
- 数学:考え方は長く残りやすい
- 社会:覚え直せば復活しやすい
- 英語:使わないと「音・運用力」から先に落ちる
だからこそ英語は、
- 短期集中よりも
- 少量でも「長期・継続」
が、圧倒的に効果が高い教科なのです。
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